2015年5月28日木曜日

多感覚を用いたシンセティックフォニックスと特別支援教育

お久しぶりです。M1かめきちです。
昨日、3年生の授業の一環?として講演会が行われました。
もともとの受講者は100人超ですが、さらに多くの4年生、院生、先生方が押し寄せ、席が足りなくなるほどでした。
この授業でTAを務めるのは、同じくM1OTNです。スーツを着て機材の操作を補助するその姿は、少なくとも准教授ですね…。

講師の山下桂世子先生は、イギリスで英語をL1としない子どもたちに英語教育及び特別支援教育をされています。また、日本では非常に稀な「ジョリーフォニックス」の専門トレーナーでもあります。
講演を通して身体全体を使ったり、表情豊かに話したり、こちらに絶えず小さなタスクを出し続けたり。聞き手が引きこまれてしまう話し方にもかなり工夫をされているように感じました。

では、以下の4点について話します。
①なぜ、英語はややこしいのか?
②全英の小学校で成果を上げている、「シンセティックフォニックス」とは?
③多感覚にアプローチする学習方法のメリット
④指導者としての心得

①なぜ、英語はややこしいのか?
いきなりですが、問題です。
sprifferton
cloupturing
上記の2つの単語、何と発音するかわかりますか?
これらは実在しない単語ですが、それでも答えの見当はつくと思います。
では、なぜ綴りや発音が想像できてしまうのでしょうか?
それは、今までの学習経験から、なんとなくでも法則を覚えているから。つまり多量の英語に触れてきたということが前提条件としてあるわけです。
では、文字と音声の法則を初めて習う時は?

アルファベットは26文字ですが、発音パターンは約42通り(地域差あり)だそうです。
さらに一緒に組み合わせる文字などによってもパターンは大きく変わってくる。
ラテン語由来、フランス語由来の単語にもそれぞれ綴りと音声のパターンがあり……
パターンが多すぎるだけでなく、見た目通り発音するとは限りません。
なので、英語の綴りと発音は「ややこしい」のです。。

②全英の小学校で成果を上げている、「シンセティックフォニックス」とは?
山下先生の専門である「ジョリーフォニックス」(以下JPと言わせていただきます…)とは、「シンセティックフォニックス」を取り入れた指導法です。では、「シンセティックフォニックス」とはなんでしょうか。

例えば、”cat”という単語を修得する場合、
”c”/k/と発音します。”a”/a/と発音します。”t”/t/と発音します。」というように、まずは単語を最小単位に分解して練習します。ここでは文字の名前と音をセットで教えますが、あくまで優先するのは音の方です。
次に今教わった3音をつなげて発音してみる。もっとスムーズに言ってみる。ディクテーションしてみる。というように、分解した要素を最終的に統合する(synthesize)ことで語を修得する学習法です。

このメリットは、初見の単語であろうと、英語学習経験がなかろうと発音できてしまうこと。2007年から全英の小学校で採用されており、はっきりとその成果が出たそうです。

③多感覚にアプローチする学習方法のメリット
JPのもう一つの大きな特徴として、あらゆる感覚にアプローチした指導法が挙げられています。

視覚で覚えるのが得意な子どももいれば、聴覚から覚える子ども、身体を動かしながら覚える子どももいる。このことは、特にEdinburghで一緒に留学した皆さんは知っていると思います。例えばテストでスペルが思い出せなかったとしても、その時聞いた歌や動きを思い出すことで文字情報が想起されるということも少なくないそうです。

では、具体的にどのような指導をすればよいのか?昨日教わった実践に基づいて説明します。

例えば”s”の発音を修得する場合。JPでは”big book”という大きな絵本のような教科書を使っていました。”s”のみでも見開きでページが割かれています。そこには赤と黒の大蛇(snake)、男の子とその飼い犬(どちらも”s”で始まる名前)の絵が載っており、大蛇は彼らを/s/の音で威嚇していました。これは視覚に訴える情報ですね。

また各ページには歌がついており、その音をしっかりと練習できるようになっています。これによりいつの間にか言える・聞けるようになってしまうのです。
さらにbig bookのすごいところは、各ページにアルファベットが彫られ、書き順に沿って溝がついていることです…!今回私たちは空中に大きくアルファベットを書くことで練習しましたが、それでも実際に手を動かして覚えるので印象に残りやすいです。

④指導者としての心得
ある海外のニュースで、JPを取り入れた授業実践の様子が挙げられていました。その小学校はなんと2年間で4回校長が替わったという問題の多い公立校だったそうです…
しかしJPを実践すると問題行動がめっきり減ったそうです。それは、JPで学習することで英語がわかるようになり、授業に集中できるようになったから。わかる授業を展開すると、子どもが学校に行きたくなる。自ら予習などをするようになる。大人を信用してくれる。学校が安心できる場になる。授業づくりがいかに大切か、改めて考えさせられました。

特別支援教育の観点からも、次のお言葉を頂きました。
子どもが「できなく」なってしまうのは、子ども自身が悪いわけではありません。個々の学び方が違うということを理解しているか?その子に合った学び方を提供しているか?それを怠った時点で、責任があるのは教師なのです。

特別支援とは言いますが、それはクラスの全員に必要なもの。一人ひとり得意なこと、研ぎ澄まされた感覚は異なります。だから多感覚を刺激する授業は大事なんです。これも特別支援教育の一つであることを覚えておきましょう!ということでした。

国や校種は違いますが、参考になる部分はかなりあるのではないかと思います。
アルバイト先の塾はみんなテスト期間で悲鳴を上げていますが、作る側、採点する側となったみなさんもとても大変だろうなあと思います…

暑くなってきたので、倒れないように気を付けてください(>_<)

2015年5月17日日曜日

本の紹介「教えて考えさせる授業」を創る

初めての投稿は書評です。のんです!!
 今日紹介する本は 「教えて考えさせる授業」を創る 著者 市川伸一 図書文化2008 

 興味のある方はどうぞ。私が働いている地区ではこの「教えて考えさせる授業」をすることが基本的な方針となっています。ざっくりと内容を説明します。この本では学習課程を大きく2つに分けており、一つは知識を知る。二つ目は得た知識を活用する。この2つが有機的にかかわりあって学習になる。ということが書かれています。英語の授業ではないのですが私なりに考えた具体例を紹介したいと思います。

 算数でいうと、「足し算のひっ算の答えを確かめる」授業を今度します。そこで次のように学習課程を二つ設定しました。

○知識の受容・知る段階
 まず、答えの確かめる手段として次のことを教えます。筆算の足す数と足される数を変えてもこたえは一緒(加法の交換法則)であるから筆算のたしかめはこの方法を使うということを教えます。これは気づかせるのではなく、工夫はするものの私が情報を提供し教えます。

○得た知識を使う・発展させる段階
 次に、この得た知識「加法の交換法則を使って答えを確かめることができる。」をつかって児童が事前にといたプリントの最初の問題をペアで話し合い、その後全体で確かめます。これは理解確認活動にあたります。
 最後に理解深化活動として、私が用意した問題を解きます。この問題は生徒のつまづきそうな点、10の位と1の位を間違えて足してしまった答えを書いたひっ算を使います。ここでは理解を深めるため、一人で考える時間を設け、その後話合いを取り入れたいと思っています。

筆者は学習課程を知識と出会う段階と知識を自分の中に落とし込む段階とに分けています。これは算数だけではなく、英語にもいえると思っています。英語の現場を知らないのでまったくずれていたらごめん!!

たとえば、現在完了 Have 過去分詞 を習う中学生で考えてみますと、

○知識の受容・知る段階
 ここで得る知識とは 現在完了とは過去行った出来事が今にも影響を与える。ということを想定しています。
 教科書を読みます。教科書の現在完了の文を教えます。
 ここでは教科書が今、手元にないので私が勝手に想定します(笑)。たとえば、I have had lunch.という英文を与えます。意味も教えます。ノートにも取らせます。おそらく塾で知っている子もいるでしょう。意味はおひるごはんを食べたからまだおなか減ってないよ。という感じでもいいでしょうか?こういう感じで教えるのかな?笑 
 教えるときは絵でも、先生のジェスチャーでもなんでもとにかく、生徒がイメージしやすいように教える工夫をすることが大事です。でもこのままでは授業は面白くないでしょう。

○得た知識を使う・発展させる段階
 まずは使ってみることが英語では大事です。場面を想像して言いましょう。(おなかをおさえるなり動くことも理解する大事なことかも)教科書にある文法の問題を同じように、言ってみたり、日本語で訳してみたりします。そのあとペアで話し合いましょう。これは理解確認活動にあたります。
 次が理解深化活動です。ここでは先生が問題を用意します。すこしトリッキーな問題です。 
I overslept. と I have overslept. という文の違いを考えるのはどうでしょうか。なんなら日本語訳もつけましょう。どちらも寝坊したです。でも違います。それを生徒にかんがえさせるのはどうでしょうか。そのあと、時間があればいろんな例文を生徒に作ってもらいましょう。先生は一生懸命生徒の表現したい気持ちをサポートできるように単語を教えたり、机間指導をします。体をつけて表現をさせてみてもいいでしょう。

本当に簡単ですが、こんな感じで授業できるのかなと考えて見ました。生徒の実態も踏まえれていないし、50分では無理だよ。と思う方もいるでしょう。現場の経験がないのでみなさんのほうがもっと現実的で面白い授業を考えられると思います(笑)その船渡しになれたら最高です!

 この市川さんは話し合い活動を大事にされている気がしました。本の中で自分の言葉を通して試行錯誤することで理解が深まるとおっしゃっていた気がします(笑)現場の雰囲気がわからないのですが生徒が夢中に勉強してくれるほどうれしいことはないですね!!
 あと、最初に知識を得る段階と次に知識を発展させる段階とを分けることがまだ難しいです!!これができるようになったら少しは成長するのかなと思っています。駄文でしたが、失礼します!

下記リンクには詳しい書評があります。読みにくいですが、興味のある方は是非どうぞ!
http://shinmai2015.blogspot.jp/

追記
 小学校では具体的な操作を大事にします。国語だったら体を動かしながら音読します。算数だったらブロックやおもちゃの時計、数え棒などを使いながら計算をします。英語でも一緒じゃないでしょうか。英語は道具です。使わないと使い方はわからないのではないでしょうか。それは中学生だろうが高校生であろうが大切なことだと最近思うようになりました。型にはまった授業をするように言われる先生が多いのではないでしょうか?型にはまった授業では英語は道具ではありません。英語は問題として扱われていた気がします。わたしは膨大な量の問題がある英語がもとは好きじゃなかった!(笑)若いんだから型を壊していこう!初任研で自分の考えとは違うと思ったら声を上げることが私たち新任の仕事だとおっしゃっていました!!英語を使う、使える楽しさを体験させてあげよう!みんな頑張ろう!!