お久しぶりです。M1かめきちです。
昨日、3年生の授業の一環?として講演会が行われました。
もともとの受講者は100人超ですが、さらに多くの4年生、院生、先生方が押し寄せ、席が足りなくなるほどでした。
この授業でTAを務めるのは、同じくM1のOTNです。スーツを着て機材の操作を補助するその姿は、少なくとも准教授ですね…。
講師の山下桂世子先生は、イギリスで英語をL1としない子どもたちに英語教育及び特別支援教育をされています。また、日本では非常に稀な「ジョリーフォニックス」の専門トレーナーでもあります。
講演を通して身体全体を使ったり、表情豊かに話したり、こちらに絶えず小さなタスクを出し続けたり。聞き手が引きこまれてしまう話し方にもかなり工夫をされているように感じました。
では、以下の4点について話します。
①なぜ、英語はややこしいのか?
②全英の小学校で成果を上げている、「シンセティックフォニックス」とは?
③多感覚にアプローチする学習方法のメリット
④指導者としての心得
①なぜ、英語はややこしいのか?
いきなりですが、問題です。
・sprifferton
・cloupturing
上記の2つの単語、何と発音するかわかりますか?
これらは実在しない単語ですが、それでも答えの見当はつくと思います。
では、なぜ綴りや発音が想像できてしまうのでしょうか?
それは、今までの学習経験から、なんとなくでも法則を覚えているから。つまり多量の英語に触れてきたということが前提条件としてあるわけです。
では、文字と音声の法則を初めて習う時は?
アルファベットは26文字ですが、発音パターンは約42通り(地域差あり)だそうです。
さらに一緒に組み合わせる文字などによってもパターンは大きく変わってくる。
ラテン語由来、フランス語由来の単語にもそれぞれ綴りと音声のパターンがあり……
パターンが多すぎるだけでなく、見た目通り発音するとは限りません。
なので、英語の綴りと発音は「ややこしい」のです。。
②全英の小学校で成果を上げている、「シンセティックフォニックス」とは?
山下先生の専門である「ジョリーフォニックス」(以下JPと言わせていただきます…)とは、「シンセティックフォニックス」を取り入れた指導法です。では、「シンセティックフォニックス」とはなんでしょうか。
例えば、”cat”という単語を修得する場合、
「”c”は/k/と発音します。”a”は/a/と発音します。”t”は/t/と発音します。」というように、まずは単語を最小単位に分解して練習します。ここでは文字の名前と音をセットで教えますが、あくまで優先するのは音の方です。
次に今教わった3音をつなげて発音してみる。もっとスムーズに言ってみる。ディクテーションしてみる。というように、分解した要素を最終的に統合する(synthesize)ことで語を修得する学習法です。
このメリットは、初見の単語であろうと、英語学習経験がなかろうと発音できてしまうこと。2007年から全英の小学校で採用されており、はっきりとその成果が出たそうです。
③多感覚にアプローチする学習方法のメリット
JPのもう一つの大きな特徴として、あらゆる感覚にアプローチした指導法が挙げられています。
視覚で覚えるのが得意な子どももいれば、聴覚から覚える子ども、身体を動かしながら覚える子どももいる。このことは、特にEdinburghで一緒に留学した皆さんは知っていると思います。例えばテストでスペルが思い出せなかったとしても、その時聞いた歌や動きを思い出すことで文字情報が想起されるということも少なくないそうです。
では、具体的にどのような指導をすればよいのか?昨日教わった実践に基づいて説明します。
例えば”s”の発音を修得する場合。JPでは”big book”という大きな絵本のような教科書を使っていました。”s”のみでも見開きでページが割かれています。そこには赤と黒の大蛇(snake)、男の子とその飼い犬(どちらも”s”で始まる名前)の絵が載っており、大蛇は彼らを/s/の音で威嚇していました。これは視覚に訴える情報ですね。
また各ページには歌がついており、その音をしっかりと練習できるようになっています。これによりいつの間にか言える・聞けるようになってしまうのです。
さらにbig bookのすごいところは、各ページにアルファベットが彫られ、書き順に沿って溝がついていることです…!今回私たちは空中に大きくアルファベットを書くことで練習しましたが、それでも実際に手を動かして覚えるので印象に残りやすいです。
④指導者としての心得
ある海外のニュースで、JPを取り入れた授業実践の様子が挙げられていました。その小学校はなんと2年間で4回校長が替わったという問題の多い公立校だったそうです…
しかしJPを実践すると問題行動がめっきり減ったそうです。それは、JPで学習することで英語がわかるようになり、授業に集中できるようになったから。わかる授業を展開すると、子どもが学校に行きたくなる。自ら予習などをするようになる。大人を信用してくれる。学校が安心できる場になる。授業づくりがいかに大切か、改めて考えさせられました。
特別支援教育の観点からも、次のお言葉を頂きました。
子どもが「できなく」なってしまうのは、子ども自身が悪いわけではありません。個々の学び方が違うということを理解しているか?その子に合った学び方を提供しているか?それを怠った時点で、責任があるのは教師なのです。
特別支援とは言いますが、それはクラスの全員に必要なもの。一人ひとり得意なこと、研ぎ澄まされた感覚は異なります。だから多感覚を刺激する授業は大事なんです。これも特別支援教育の一つであることを覚えておきましょう!ということでした。
国や校種は違いますが、参考になる部分はかなりあるのではないかと思います。
アルバイト先の塾はみんなテスト期間で悲鳴を上げていますが、作る側、採点する側となったみなさんもとても大変だろうなあと思います…
暑くなってきたので、倒れないように気を付けてください(>_<)
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